深井動物病院

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狂犬病予防注射の大切なお話

  • 病気や治療について

4月から令和3年度の狂犬病予防注射が始まります。

狂犬病予防法に基づいて、年度初めの4月~6月にすべての飼犬に
狂犬病予防注射をおこなわなければいけません。

(コロナ禍対策の特例として、昨年から4月~12月までに実施期間が延長されています。)
同時に「飼犬登録」もおこないますが、堺市在住の方は当院で
予防注射といっしょに出来ます。

 

狂犬病については、毎年この時期になると解説しています。
少し長いですが、どうか最後まで読んでください。

 

狂犬病はウイルス感染で発症する伝染病です。
ときどき「うちの子供が犬に指を咬まれたが狂犬病は大丈夫か?」
といった問い合わせを受けることがあります。
どうも一般の方には「犬は元来狂犬病の病原体を体内に持っているもの」
というような間違ったイメージがあるようです。
これは獣医師の責任でもあると思います。きっちり狂犬病というものを
皆さんに説明することを怠ってきたためです。
元来、犬は狂犬病ウイルスに感染しているわけではありません。
日本には半世紀以上、発症した犬は確認されていません。
ただし、東アジアや東南アジアは狂犬病多発地域ですので、安心はできません。
日本と同様の島国で、半世紀以上発生していなかった台湾で、数年前、野生動物に発生しましたが、
感染経路は解明できていません。
物流が発達し、海外旅行が一般的になった現代では、いつ国内で発生しても不思議ではありません。

「狂犬病」という病名も誤解を与えているのでしょう。
狂犬病はほぼ全ての哺乳類に感染発症します。
ただし、動物種によって、その「感受性」に大きな差があります。
犬は「感受性」が高く、人も残念ながら「感受性」のやや高いグループに属します。
狂犬病を発症した犬は脳が侵され狂暴になり、人に襲いかかり咬みつきます。
唾液中にウイルスはたくさん存在し、咬み傷からウイルスは感染します。
数週間という短期間で中枢神経が侵され、死に至る恐ろしい病気です。
発症すると有効な治療法は未だになく、致死率はほぼ100%です。

都市部での狂犬病の流行は、犬が主な感染源になります。
野犬を捕獲し減らすことと、飼犬に予防注射を接種し感染防御することで、流行は防ぐことができます。
飼犬に狂犬病予防注射を受けさせる意義はここにあるのです。

犬の感染を防御することで人の生命を守るのです。

どうかご理解のうえ、ぜひ愛犬に狂犬病予防注射をおこなってください。

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